2019年3月中旬、静岡県の河津町にある「菖蒲沢(しょうぶざわ)海岸」に行ってきました。
伊豆半島にある河津町は、早咲きの桜「河津桜(カワヅザクラ)」発祥の地です。
やや濃い目のピンク色をした河津桜は、2月頃に満開を迎えます。「ソメイヨシノ」よりも、1か月以上早く開花して、春の訪れを告げてくれる河津桜。綺麗ですよね。
今回の旅の時期は、ちょうど河津桜のシーズンが終わったところ。そしてソメイヨシノの開花には少々早いという微妙な時期。春なのに、あまり桜が咲いてない時期に来てしまいました。
でもいいんです!今回の目的は「石拾い」なんですから!
菖蒲沢海岸は、浜辺で ”石英” や ”水晶”、”メノウ”、運が良ければ ”自然金” が拾えるかもしれない、鉱物探しを趣味にする方々の間では有名なビーチなんです。
小学生の娘たちと共に、宝探し気分でワクワク♪
鉱物採集の様子は、こちらの記事にまとめました。
ここでは、菖蒲沢海岸で拾った石っころを、ご紹介させていただきますね。
石英(せきえい)
まずは石英(せきえい)。
石英は白っぽく、菖蒲沢海岸で良く見られる石です。
水晶と同じ成分で出来ていて、一部が結晶化していたりします。
恐竜の横顔みたいな石英。
目の位置にちょうど、小さな丸い穴が開いています。
口を少し開いたように見えませんか。
口元の歯のようなものは、微細なクリスタルです。
石英の割れ目が、小さな水晶で埋まっていました。
この石英にも「晶洞」と呼ばれる空洞部分が見られます。
近づいてみると、中でクリスタルが育っていました!
小さいですけど、ちゃんと六角形の水晶の形をしています。
微細な水晶が、みっちり生えた晶洞。
透明感がある水晶は、やっぱり綺麗ですね。
柑橘の果実をざっくり割ったような断面をした石もありました。
白っぽい石英大集合!
海岸の白い石は、よく目立ちます。
たくさん集めてから、良さそうな石を数点選んで持ち帰りました。
シマシマ石
縞模様が面白かった石たちです。
色が違う石に、石英の層が挟まれて、サンドイッチみたいになってます。
これは海の中で、ちょっと異質な質感を放っていた石。
表面がぬめっと、つるんとしていて、目に付きました。
粒子がとても細かい感じ。泥岩でしょうか。
瑪瑙(めのう)
石が一部削れたところに、白く重なる層が見えています。
瑪瑙(メノウ)質の石英かもしれません。
縞模様の見える石を、2個拾いました。
透明感はゼロ、白い粉を吹いたような表面をしてます。
1つには、鉄っぽい茶色の縞模様が入っています。
ピーナツ最中みたいな、かわいい形。
全体的に白い粉をまぶしたような石。
薄い層が重なって、模様ができています。
磨いたり、切断したりすれば、透明感のあるメノウが出てくるんでしょうか?
レッドジャスパー
海岸でよく見る赤い石は、レッドジャスパー。
和名では、赤碧玉(せきへきぎょく)と呼ばれています。
母岩付きのレッドジャスパー。
このくらいのサイズがあれば、磨いてアクセサリーが作れそう。
いい色してます、渋い赤。銀の指輪やヘンプネックレスにしたら素敵でしょうね。
男性のアクセサリーにもカッコイイと思います。
石の一部にレッドジャスパー。
たぶん母岩は火成岩。
大きな石英
大きめの石英の塊です。
元々全体が結晶に覆われていたんでしょうね。長年、海中に転がっていたのか、ほとんどが削れてしまっていますが。
へこみの部分だけ、結晶が残っていました。
ゴツゴツとして短い、白く濁った結晶です。
海藻や貝のかけらがこびりついていて、海に漂っていた時間を感じさせます。
玉髄(ぎょくずい)かと思ったけど
脳みそみたいにモコモコした表面を見て、「玉髄!?」と期待したのですが、違いますね。
近づいてみると、粒々してました。
グラニュー糖をまぶした砂糖菓子みたいな表面です。
玉髄は、もっとつるんとしてますよね。
モコモコの下部分です。
玉髄は下部にも透明感があるはずなので、やはり違います。
自然金はどこ~
採集当日、自然金を探してみても見つからず。
でも諦めきれずに、黒っぽい部分がある石英を拾ってきました。
今度ゆっくり観察してみます。
白っぽい金の粒、見つかると良いなあ~!
穴だらけの石
やたらトゲトゲした、触り心地の悪い石を持ってきました。
軽石みたいに穴ぼこだらけ、白と黒が混じった岩です。
沸騰したまんま、シュワ~っと固まったような石。
沸石でしょうか?
マクロレンズで寄ると、トゲトゲの正体が分かりました。
微細な水晶がたくさん生えていました。
細かい粒々の中に、細長く結晶化した水晶が見えます。
空洞の中にひっそりと、やや大きめの水晶が居ました。
水晶の赤ちゃんがたくさん!
肉眼では見えなかった水晶の世界。
やはり採集当日には、ルーペを持って行った方が良いですね。
全く期待してなかった穴ぼこだらけの石に、こんなに水晶がくっ付いているとは予想外でした。
美しいミクロの世界に、写真撮影に夢中になってしまいましたよ。
子どもたちも、小さなクリスタル発見に大喜び!
自分たちが採集してきた石の中に広がる「水晶ワールド」に感動していました。
この感動を、次に繋げられると良いなあ~。
もし石拾いを子どもたちが嫌がれば、引きずっては行けないのでね。引き続き興味を持ってくれるとありがたいです。
また家族で石拾いに行きたい!
鉱物発見の旅、果たして次回はあるのか!?
持参した鉱物ガイドブック
鉱物初心者は、2冊のガイドブックを持参しました。
「鉱物ウォーキングガイド・関東甲信越版」と「趣味の鉱石トレジャーハンター」です。
採集場所への行き方、地図などの周辺情報や、分かりやすい鉱物の写真や説明等、旅の参考にさせていただきました。