新鮮なカタクチイワシが手に入ったら、アンチョビを作ってみませんか。
「アンチョビって作れるの!?」って、私も最初は驚きました。
実際に作って見たら、意外にカンタン!
手間と時間はかかりますが、美味しいアンチョビは自分で作れます。
必要な素材は3つだけ。
「イワシ」「塩」「油」とシンプル。
副産物として、ナンプラーまで出来ちゃったりします。
お魚の旨みがギュッと詰まった 魚醤(ぎょしょう)は、手作りとは思えない美味しさです。
それでは作り方をご紹介します。
作成途中にイワシを腐らせず、異臭が漂うこともない、安全な方法です。
冷蔵庫で熟成させる、家庭で作りやすい自己流レシピです。
新鮮なイワシを手に入れる
カタクチイワシです。
5月中旬ごろ、横須賀で釣りました。
イワシは回遊魚。
春から秋のシーズンには、堤防など浅瀬の釣り場に、群れで回ってきます。
”サビキ” という疑似餌を付けた仕掛けで、良く釣れます。
釣りがご趣味ではない方は、スーパーに初夏から出てくるイワシを狙いましょう。
新鮮なものが見つかったら、是非買ってみてください。
「背黒いわし」というのは、カタクチイワシの別名になります。
アンチョビ作り
では、アンチョビ作りに取り掛かります!
準備するもの
初日に用意する材料は、イワシと塩だけ。
必要な道具は、イワシを漬け込む、ほどよい大きさのタッパーとラップです。
キッチンスケール(はかり)があれば、塩の分量を正確に測ることができますが、
無くても何とかなります。
イワシを塩漬け
まず、イワシの頭とハラワタを取り除きます。
包丁を使わずとも、手だけで処理できると思います。
イワシの手開きの方法はこちら。
頭とハラワタを取ってから、イワシをさっと水洗いします。
水を切ったイワシと、イワシ重量の20%の塩を準備します。
スケールをお持ちでしたら、イワシを計量して、塩の量を算出してみてくださいね。
タッパーにイワシを並べて塩を振ります。
何度も繰り返して、層状に重ねていきます。
塩はきっちり2割じゃなくても、写真のように、イワシが塩まみれになっていればOKです。
手開きで、フィレ状にしてから漬けても良し。
キッチンペーパーではさんで、しっかり水気を切っています。
中骨が無い分カサが減って、小さなタッパーで事足りるようになります。
省スペースです。
イワシに塩を被せたら、表面をラップで密閉して、容器にフタをします。
冷蔵庫で、2~3か月塩漬けにします。
塩漬けから4か月後
塩漬けができたら、今度はイワシを油漬けにします。
準備するもの
イワシを漬け込む油と、ガラス瓶の準備が必要です。
容器に貼り付けるラベル(シール)もあると良いですね。
イワシと一緒に漬け込みたい食材(スパイス、ハーブ等)があれば、それも準備してください。
塩漬けにして4か月後のイワシです。
所用のため、しばし開封が遅れましたが、全然問題ありません。
もっと早く作りたい方は、常温で保存すると良いですよ。
おおよそ1か月ほどで漬かります。
私は、汁や臭いが漏れるのが怖くて、いつも冷蔵庫に保管してます。
時間はかかりますが安心です。
イワシから水分が出て、薄いピンク色の液体が上がってきています。
イワシをさばく
塩水から引き揚げたイワシです。
身が締まって、少し硬くなりました。
それでは、手開きで3枚おろしにしていきます。
まず、イワシの背びれを取り除きます
背中の裂け目から、半身に開きます
中骨を取り除きます
フィレが2枚と背骨、3つのパーツに分かれました。
塩漬けのイワシフィレです。
なかなか美味しそうですよね、色合いとか。
このまま食べたり、料理に使ったり、出来なくもないんですが……。
実際にやってみたところ、あまり美味しくなかったです。
塩気がきつすぎるんですよね。
この後、油漬けにすることで、味に丸みが出てきます。
塩漬けイワシは、イワシの身、骨、塩水に分かれました。
身はアンチョビ、骨は調味料、塩水はナンプラーになります。
瓶詰め
フィレ状にしたイワシの重さを測ったら、1,168グラムありました。
水気を切ってから、煮沸消毒したガラス瓶に詰めていきます。
塩漬けのイワシを、菜箸で瓶に詰めていきます。
フィレを、瓶に貼り付けるように並べるとキレイ。
ひと手間かかりますが、出来上がりが美しいと感動も一入です!
家じゅうの空き瓶を総動員しました!
瓶の半分は、ハーブを一緒に漬け込んで、ハーブアンチョビにすることにしました。
ハーブの居場所を作るため、真ん中を少し空けています。
イワシを油漬け
イワシを詰めたら、油を注ぎ入れます。
オリーブオイル単体では、冷蔵庫に入れた時に固まってしまいます。
低温で固まらない油(大豆油、えごま油、サラダオイル等)とブレンドすれば、固まりません。
私は、なたね油とオリーブオイルを半々にしました。
ハーブアンチョビには、生ハーブ(タイム、ローズマリー、ローリエ)を入れました。
お好みで、ハーブやスパイス、ニンニク、唐辛子等を入れて、風味をつけても美味しくなります。
仕込み完了、熟成へ
これでアンチョビの仕込みは完了です。
瓶詰めが11個できました。
冷暗所で1か月ほど熟成させて、イワシと油がよく馴染んだら食べごろです。
作った日などを記載して、ラベルを貼っておくと良いでしょう。
4年後の熟成アンチョビ
仕込みから約4年。沢山作ったアンチョビも、最後の1瓶になりました。
2019年6月現在、未だに美味しくいただいてます。
4年物の熟成アンチョビです。
カツオ節のような、芳ばしい香りがします。
自作アンチョビは、冷蔵庫で数年保ちますよ。
油の酸化を防いで、美味しさを長くキープすることができます。
後編・ナンプラー作りに続く!